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今日は和書を読んでいます

読んだのは『僕はパパを殺すことに決めた』草薙厚子著。

   

衝撃的な題名です。奈良の少年自宅放火事件についてかかれた本です。
奈良県田原本というところ、学生時代の友人の実家があって、学生の頃遊びにいったことがありました。
当時、駅前でタクシーに乗って苗字を言えば運転手さんが家を知っている、そんなのどかなところでした。

ニュースでこの事件を知った時「わけがわからない。」という印象でした。
放火をした少年が父親を殺そうと思った、でも父親が家を留守にしているのをしっていて家に火をつけた。
目的と行動が合っていないではないですか。
それで、この本を読んでみようと思ったのです。

この本は取材はもちろんですが、供述調書からもたくさん引用されています。
(供述調書がどうして著者の手に入ったのでしょう?供述調書を読むことなんて被害者の家族でもできないのではなかったかしら?)

実父と継母、腹違いの妹弟と暮らしていた少年。
実母と実父は離婚、実母は少年の妹だけを連れて家を出ています。
確かに複雑な家庭環境です。
亡くなったのは継母と腹違いの妹弟の3人。
一見、継母との折り合いが悪かったかと思わせられる状況ですが、少年が「殺さなければ」と思ったのは実父だったのです。

少年が「殺さなければ」と思ったのは幼い頃からの父からの暴力。
問題を解くのが遅いなどで殴る蹴るの暴力があったようです。
「殺さなければ」と決めたきっかけは、英語の成績が悪かった事を父には「平均より良かった」とうそをついたこと。
そのうそは学校の保護者会ですぐにばれてしまううそだった。

「今度うそをついたら父から殺される」と少年は思っていたのです。
父にそう言われたとして、本当に殺されると思う子がどれほどいるでしょうか。
そのことや、他の行動から少年は「広汎性発達障害」と診断されたようです。
自閉症やアスペルガーの人に見られるような「計画を変えることを嫌う」とか「言われた言葉をそのまま受け取る」といったところは素人の私にも「そうかもしれない」と思えました。

障害があったら罪が許されるというものではありません。
それでも、少年の障害よりも、私は実の息子に暴力を振るう異常性を父親の方に感じます。

この本を読んだからといって何が解決するわけでもないのですが、悲劇が起こる前に、3人の命がなくなってしまう前にどうにかする方法があったに違いないのにとおもわずにはいられない。

継母の両親が少年のことを「孫だと思っている。孫が望むなら罪を償った後面倒を見てやりたい。娘も望んでいるだろう。」と答えておられます。
実の娘や孫を殺されてなおこんなことが言える継母の両親はなんてすごい人達だろうと思います。
いたたまれない気持ちで読んだこの本のわずかな光に思えました。

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