洋書ばかりのブログですが、和書も読んでいます。
でもね、書くほどのものは読んでいません。
着物のことが書いてある本とか、食べ物の本とか、お酒の本とかね。
あとはエッセーでしょうか。
読んだのは『累犯障害者』 山本譲司
著者は秘書給与流用事件を起こして実刑判決、服役した。
服役中、獄中で出会った障害者、彼らは何度も外と中を行き来していた。
誤解のないように書いておくと障害のある人が危険な人たちということではありません。
彼らにとっての居場所が外になく、刑務所から出されても行くところもなければ頼る人もいない。
何か悪いことをすれば刑務所に戻れると頭に刷り込まれていて、外へ出てすぐにまた戻ってきてしまうのです。
その人たちの多くが福祉と関係を持つことがなく育ってきたのです。
福祉の網からこぼれ落ちた人たちなのです。
繰り返して悪いことをすると言っても、多くはコンビニでお弁当を食べちゃったとか万引きや無銭飲食、無銭乗車。
身元を引き取ってくれる人がいれば刑務所に入ることにならない罪だったりするのです。
「これまで生きてきたなかで、ここが一番暮らしやすかった」という障害者の暮らしてきた、私たち健常者のための社会が累犯をさせているという事実に私は目をつぶっていたかもしれない。
その一方で、中には重大な罪を犯してしまう障害者もいて、新聞やニュースに取り上げられた事件もあって、私も記憶しています。
いろいろなことを考えさせられました。
知ったからといって何もできないかもしれない。でもまずは知らなくては。